ごあいさつ
会員の皆様におかれましては、平素より本学会の活動にご理解とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。本年2025年大会は、日本官能評価学会が1996年11月に設立されて以来、節目となる30周年記念大会となります。大会テーマには「官能評価の世界−現在・過去・未来−」を掲げ、官能評価の現状を分析し、その歴史を振り返るとともに、未来への展望を考える機会としたいと存じます。大会は2日間にわたり、11月22日(土)および23日(祝・日)に日本女子大学にて開催いたします。多くの皆様にご参加いただき、この記念すべき大会が活発な討論と交流の場となりますよう、そして共に盛り上げていただけますよう、心よりお願い申し上げます。
大会初日には、官能評価の基盤である「感覚」に焦点を当てた記念講演を2題ご用意しております。まず、高砂香料工業株式会社
鈴木隆氏をお迎えし、いにしえの天下人が愛でた蘭奢待の香りについてご講演いただきます。続いて、味の素株式会社の川崎寛也氏に、「食べ物のおいしさ」を軸にして、感覚研究の歴史と現状、そしてその未来についてご講演いただきます。
また、夕刻からは会場をアルカディア市ヶ谷(私学会館)に移し、美味しいお食事を囲みながら記念大会を祝う研究交流会を開催いたします。皆様との親睦を深める良い機会となりますので、ぜひご参加ください。
大会二日目の午前中には、特別講演として千葉県立保健医療大学名誉教授
井上裕光氏にご登壇いただき、官能評価の歴史的変遷と今後の展望についてご講演いただきます。これに続くオンラインによる基調講演では、海外からの講演者として、ニュージーランド・マッセイ大学(Massey University)教授ジョアン・ホルト(Joanne
Hort)氏をお招きし、ご専門である感覚科学および消費者科学の観点から、文化の違いが知覚に及ぼす影響についてお話しいただきます。
午後のシンポジウムでは、「五感の世界―現在・過去・未来―」をテーマにして、日本女子大学特任教授・横向慶子氏に商品開発の視点から、また、横浜国立大学教授 岡嶋克典氏および産業技術総合研究所上級主任研究員
小早川達氏にはクロスモーダルの視点から、それぞれご講演いただきます。さまざまなアプローチからの示唆に富んだ話題を共有し、官能評価の現在・過去・未来について、参加者の皆様とともに活発な議論が交わされる場となれば幸いです。
一般社団法人 日本官能評価学会
会長 小竹佐知子